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娘の受験面接シートにアドバイスした話

娘が高校受験だった。ただ、学力が低い親としては、勉強面では適切なアドバイスはできなかった。

そんな中、受験では面接があるらしく、学校から「面接シート」なるものが配られて想定質問に対しての回答を生徒が書くというものだった。

今、ググって知ったが、塾などが出している記事がたくさんありますね(苦笑)

娘から「面接シートを見て欲しい」とお願いされたので、風呂上がりに見た。こんな設問だった。

  1. なぜこの学校に入学したいのですか。

  2. 中学校での教科等の学習活動に対して、どのような意欲をもって取り組みましたか。

  3. 中学校のときに教科等以外の活動に対して、どのような意欲をもって取り組みましたか。(学校外での取り組みでも構いません)

  4. 自分自身のよいところはどのようなところだと考えていますか。

娘はびっしりと埋めていて、父親チェックの前に母親チェックは通ったらしい。まぁ、書いていることは結構よくできていたので、数点だけアドバイスをした。

したい理由はWin - Winであるべき

1つ目の設問に対して、娘は最初、学校の学習方針やその学習設備に対して感銘を受けた…的なことを書いていたと思う。

そこで娘に「なんで学習方針や設備が自分にとって良いと感じたのか?」と聞いた。なぜ、そう聞いたのかというと、娘が書いた内容は、学校側の良いところしか書いていなかったからだ。

相手がいて「なにかを実現したい」を達成するには、相手と自分の双方がWin - Winでないとならない。相手だけ得をするというのは、なんとも真意に欠ける。娘の書いた内容だと娘自身のWinがなかった。

娘に問いかけを投げて、自分自身で整理をさせた。「なぜ高校にいきたいのか」、「なぜその高校でなければならないのか」と。

娘は、将来中学校の先生になりたいという夢を持っている。その夢を実現させるためには、高校で勉学に励む。その環境が整っている高校に入りたい。それを入学理由に含めて、娘側のWinと学校側のWinが揃うようにアドバイスをした。

なお、質問をしただけで、内容は娘自身で考えさせた。直してきたものでは、ストーリーとしてまとまっていたのでGOサインを出した。

専門用語は使わない

2つ目の設問は学習活動についての設問だった。娘が書いてきた内容は、要約すると「中学校が英語の勉強方針に力を入れていて、その方針により英語の学習が理解をしながらできて、身なりよかった。」という感じだった。

たしかに娘の中学校は、英語学習方法はちょっと変わっていて、教科書の内容(主にリスニング)を1年間で5周繰り返すというものを採用していた。身体に覚え込ませるという学習法らしいのだが、それを「ファイブ・ラウンド」という呼称を付けていた。

娘が書いているのは、内容は良かったのだが、この「ファイブ・ラウンド」という固有名詞をいきなり出していた。「『ファイブ・ラウンド』で繰り返し行うことで…」みたいな感じだったと思う。

そこで娘に「『ファイブ・ラウンド』ってなに?」と質問をした。娘は流暢に答える。「でも、オレはわからなかったよ」と伝えて、固有名詞を使う場合は、それを先に説明しないと聞く側はわからない。とアドバイスをした。

修正してきたものには、きちんと固有名詞の前に「どういうものか」を説明する文章が加わり、なぜ「ファイブ・ラウンドという学習法がよかったのか」という結論まで説明されている内容になっていた。

情報の羅列ではなくその中でのナンバーワンを提示する

3つ目の設問は、学習活動以外での取り組みについての設問だった。娘は活動家なので、出だしから今まで務めた委員会や部活のリーダーなどなどをたくさん並べていた。我が子とは思えないほどの活動家だ。

でも、それを見ても刺さるものがなかった。やってきた役職を並べているだけで、「なぜそれをやったのか」とか「それで何を得たのか」とか、中身がなかった。そして、それが最終的な夢である学校の先生になるということとの繋がりもなかった。

そこでまた娘に質問をする。「どれが一番楽しかったか?」そして、「それはどう自分のためになったのか?」と。我が娘とは思えないほど、きちんと返せる。さすが活動家だ。

そこでアドバイスをした。「それを訴えかけるようにすればいいんじゃないか」と。

学校生活をする上で、リーダー的な役割をする人は、多い。つまりは、その役職を書ける人は、割合として半数を超えるだろう。委員会は、クラスで結構なにかしらやるし、部活に入っていたら、先輩として後輩に教えたり。中には、生徒会長をやるやつもいる。生徒会長は、学校で1名だが、生徒会長を務めていたらすごいわけではない。(選挙なりで通っているのですごいはすごいのだが)

その役割をすることで自分がどう成長し、その成長がどう実っているのか。そこが重要だ。自分の中でやってきたことの中で、ナンバーワンを決めて、それを訴えかけなさい。そうアドバイスをした。

娘は、これはちょっと考え込んでしまった。たぶんどれも一生懸命にやってきたので、甲乙つけがたいみたいだった。でも、学校の先生=教育者というものを目指すという夢の実現のために、一番自分の中で実りとなったのは、部活のパートリーダーだという結論に至った。実は、初稿ではこのパートリーダーは入っていなかった。

そこで娘は聞いてきた。「パートリーダーは、正直そんなにリーダーとしてレベル(役職地位)として高くないと思っている」と。

オレは、断じて否だと答えた。地位とかどうでもいい。娘自身がどういう想いを持って、それに対して取り組み、それがどう実ったのか。リーダーというのは、地位ではなく、導き手としてどう他者に影響を与えるかが大事だと。

娘は、結構「地位」を気にしてたようだった。でも、話を聞くとパートリーダーとして、「後輩にこういう思いをして欲しい」と考え務めていたと語ってくれた。

それを「そのまま書けばいいんじゃないか。」とアドバイスした。結果、学校の先生という指導者になりたいという目的にもつながる内容になった。


こうして、面接シートは完成した。ひたすら「なぜ」と質問をして、内容は自分で考えさせた。ちょっと誘導した部分もあるだろうが(苦笑)

面接当日は、笑顔で「今までで一番上手く話せたよ!」と笑顔で報告してくれた。さすが、活動家の娘だ。

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